螺鈿迷宮

「バチスタ」の海堂尊の作品。
バチスタシリーズの白鳥・そして部下の氷姫こと姫宮が登場します。
 
今回はのテーマは「終末医療」と「死亡時医学検索」。
田口先生でなく、駄目医学生が主人公ということもあり青春成長モノてきな要素もありました。
 
さて、相変わらず登場人物にはパワーがありました。
バチスタシリーズの中でも屈指のタヌキ親父高階院長をして「あいつに勝てる人間は存在しない」とまで言わしめる巌雄院長は、まさに豪放磊落という感じで、とても潔く格好良い。
「死を見つめろ」という言葉がとても重く、印象的でした。
 
ただ、白鳥をはじめとするキャラクターの影はちょっと薄め。
 
話の構成は、ちょっと後半が粗め?な感じですね。処女作のバチスタに比べると、やっぱり目に付いてしまう。
でも、キャラ読みで一気に読む分にはそう気にならないです。
この人の作品のジャンルは、ミステリから医療エンターテイメント、という風に変わってますので、細かいことは気にせず楽しく読むのがいいんじゃないかな。