きまぐれロボット

NHKで映像化されてたのを見て、無性に読みたくなって購入。
NHKの映像化はよくできてますよね。「悪魔」とか不気味な感じで面白かった。

小さい頃読んだ、猫が宇宙人を追い返す「ネコ」などが入っていてすこし懐かしくなりました。当時、星新一の文章の無駄のなさが無機質に感じて、登場人物が人間じゃない何かに見えて仕方なかったんですよね。
N博士って書いてあるけど、これはN博士という「人間」のことを描いてるんじゃないんだ、と感じられて、それがとても怖かったんです。
何かわからないものを象徴しているということが怖いのではなくって、「それはきっと何か怖いことを象徴しているんだ」という確信があるのだけれどその怖いことが何かわからない、という行き場のない宙づりみたいな恐怖を感じていたように思います。
 
今見ても、この人の作品の登場人物や展開は何かのメタファーに見えて、物語というよりは何かの説話のような印象を受けます。
 
この独特の雰囲気は藤子F不二雄の異色短編集でも感じたなぁ。