湊かなえ「告白」

 
ほんっと本屋大賞には外れがねぇな、としみじみ思う。
すっげぇ面白かった。
 
さまざまな人物の「告白」から、ある事件の真相が浮かび上がっていく、という実にわくわくさせられる作り。
 
自分に酔って説明が付きすぎる告白をする輩もいるなど、
「告白者が正しい内容を言っているか」「真相は何か」、というところを考える楽しみもある。
それぞれの告白は妙に人間臭くて、それがまた良い。
 
 
結構読者に強いる感じで、読後感はちょっともやもや。
結局ソイツは!その会話はどうなったんだ!ってw
 
 
森口先生の語りは、結構納得できるところもあったりした。
人が人を裁く、ということへの疑問や、「少年法」への懐疑的な態度とか。
 
ただ、あまりに現実の事件や人物を引き合いに出してるのはちょっとん?って違和感を感じた。
「恋空」としか思えない小説をこき下ろすシーンがあったり、H市母子殺害事件での弁護がおかしい、と登場人物の一人が憤るシーンがあったり。
 
なんというか、作者の言いたいことを小説にしたぜ!感がちょっとあるかも。