ふるほん文庫やさん

俺が高校生の頃も、今と変わらず本当に本が好きで好きで、暇さえあれば新しい本を探してあっちゃこっちゃにでかけていました。
 
その時分、文庫専門古書店が北九州にできた、
ということを聞いて(たしかNHKの特集とかだったと思う)、
暑い最中に自転車をこぎにこいで行ったお店が、ふるほん文庫やさんでした。
 
汗をかきながら入り口から入ると、エアコンで冷やされたちょっとほこりっぽい店内は古い紙とインクの匂いでいっぱいで、そしてもう想像を絶するくらいの文庫本の山があって。
でかい本棚が50くらいあって、それが全部文庫本で埋め尽くされてるんですよ。
 
入った瞬間、ああここは好きだ、と思いました。ここに、いっぱいまだ読んでない本がある、ってすごくどきどきした。
見たこともない場所なのに、なぜかとても懐かしかった。
 
そのときほど、本屋に行ってどきどきした経験はないです。本当に一目ぼれみたいな感じでね。
あんまり一目ぼれとか信じないんだけど、あの感情は一目ぼれに本当に近いと思う。
 
ただ店内を回るだけで、楽しくて楽しくて。
そのとき、ただなんとなく買ったO・ヘンリ短編集とモーパッサン短編集、ずっと大切に持ってます。
何度も読み返して、擦り切れそうになってるけど、カバーつけてずっと大事に。
 
本自体も大好きな本なんですけど、読むたびにあの店に入った高揚感を思い出すんです。
読んでない本がいっぱいあって、それがどんなに嬉しかったか。
 
ずっともう一度行こう、と思ってきましたが、今広島に移転しちゃってるんですよね。
今度休みにでも行ってくるかなー。